私は38歳で第1子を、41歳でつい2か月前に第2子を出産しました。いずれも御多分に漏れず、立派な超!高齢出産組です。
夫婦共働きで結婚も遅く、高齢出産という自覚もそこまでなかったのですが、第1子を保育園に預けるに当たり、周りのママがなんとまぁ若くてきれいなこと!
ここに来てようやく、あぁ、私はおばぁちゃんママだと自覚したものです。厚生労働省の統計によると我が国の第一子出生時の母の平均年齢は30.7歳だそう。
なるほど、私は平均より8歳も歳をとっているんですね、周囲が若く見えるわけだと妙に納得したことを覚えています。
世間では高齢出産への風当たりが強く、親のエゴだとか子どもがかわいそうとか、聞こえてくるのは悪口ばかり。
ですが、超高齢出産の当事者である私がこれまでを振り返る限り、日々、子どもを産んで本当に良かったと思うことの連続です。
高齢出産はリスクを持った子どもが産まれやすく産後の母体への影響が大きいなど、医学的な根拠があるのも重々理解しつつ、今回は私が自分の身を振り返り、この年で子どもを持つということのメリットをお話ししたいと思います。
高齢出産のメリット①父・母に余裕がある
これは間違いなく、育てる側の父・母に余裕があるということです。
ちまたの育児本などでよく見かける「自分の時間が欲しい」「趣味のカフェめぐりが出来ずストレスがたまる」「おしゃれをしてお出かけしたい」といった悩み。
これは高齢出産にはまずありえないことです。これまで両手にもてあますほどの時間とお金を、自分の意志で自由に使ってきた30代後半組。これ以上自由な時間もお金も欲しくなく、産まれてきた子どもにどっしり正面から向き合えるわけです。
私自身、生後何か月でこんな仕草をした、今の手足の大きさはこのくらい、など、毎日赤ちゃんを観察して成長にじっくり寄り添うことができたと感じています。
ただ悲しいかな、体力は年齢にはあらがえず・・・。第1子の時は苦にならなかった深夜の授乳も、第2子を育てている今はややしんどいのが本音。家事は最低限にして子どもと一緒に早めにふとんに入ることでなんとかしのいでいるのが現状です。
高齢出産のメリット②経済的余裕がある
20代に比べるとお給料もあがり、毎月使えるお金も増えている方が多いと思います。
子どもはおむつやミルク、洋服など生まれ落ちた瞬間からお金がかかるものですが、若年夫婦と比較すると若干余裕をもって準備できるのではないでしょうか。
さらに、子どもが少し大きくなると出てくる、「習い事どうする?」問題。
私の周りでも英語やダンス、水泳などを習わせているご家庭が見られます。
英語が気になったので評判の良いところを調べてみたところ、週2回、2時間ずつの送迎付きで30,000円!という価格でした。これはさすがに高すぎですが、例えばおなじみの公文も、東京都に住む我が家の3歳児が1ヶ月通った場合、1教科につき7,700円(教材費込・税込)と、そこそこのお値段。
教育に関わるお金は聖域と言われますが、経済的に余裕がないと、満足のいく習い事もさせられないというのが本当のところかもしれません。
高齢出産のメリット③ライフプランが立てやすい
30代後半にもなるとそこそこ社会人経験も積み、ややまとまった貯蓄ができはじめるころだと思います。
人生では「住宅」「教育」「老後」の3つに大きなお金がかかると言われますが、私の経験を振り返ると30代後半にもなるとこのうちの一つはまかなえる程度の貯金がありました。
3つのうち、何にどのくらいのお金をかけるかはもちろん人によって異なってくるものですが、それでも緩やかな目安があると安心できるもの。
もう「住宅」に関してはある程度見込めたから、子どもを育てながら腰を据えて「教育」費を貯めよう、目標額は何歳までにいくら、など夫婦で話し合って決めればご家族のきずなもさらに確かなものになるはずです。
また、先述した悩ましき習い事問題も、夫婦間で「教育」費目安を設定しておけば、子どもにとって一番良いものを吟味・検討できるのではないでしょうか。
一方、これは高齢出産のデメリットとも言えるかもしれませんが、35歳以降で出産すると、貯金できる時期が若年で出産されたご家庭に比べて1度きりしかめぐってきません。
例えば冒頭で触れた、日本の平均的な出産年齢である30歳で子どもを産むとします。4年制の大学を卒業して新卒で入社すると、出産年齢の30歳までは8年間。
この8年間は住宅費用や教育費など将来の貯金に費やす時間として充てることができ、30歳で出産します。この子どもが大学を卒業する22歳時、母親の年齢は52歳。現在日本の定年はおおむね60歳とされていますから、老後資金を貯めるのに、定年まであと8年間残されているわけです。
他方、高齢出産の我が家。41歳で出産した第二子が大学を卒業するとき、母は61歳。すでに定年している!わけです。定年の年齢が上がってきているとはいえ、現在の日本では再雇用など望まなければ60歳以降は年金受給まで無収入。
大学4年時の学費の原資が無くなっているうえに、自分の老後資金もすっからかんという状態です。
さすがにこれは結構まずい!と思い、私も貯金を投資信託に回す、既に積み立てているiDeCoを増額する、などして乗り切ろうと考えています。
高齢出産のメリット④きれいで可愛らしいママでいようと頑張れる
ここにきて精神論を唱えるわけではありませんが、やはり子どもが産まれると、元気で若々しく健康でいようと思うようになること。
冒頭にも書いたように、今のママは本当にきれいでかわいらしい方が多い!年齢にあらがおうとは思いませんし、実際に太刀打ちできるようなものではありませんが、年齢のせいで汚くみすぼらしく見えないように、一定の体重をキープする、髪型や歯の定期検診を欠かさないなど、私もできる範囲で取り組んでいます。しかも、意外とこれが苦ではないのが不思議なところ。
かわいいママでいたいと思うのも確かに事実ですが、きれいを保つことで自分の気分もあがり、毎日楽しく過ごせています。
またこれは高齢出産に限ったことではありませんが、子どもが産まれると生活の質ががらりと変わります。
私は38歳で第1子を出産しましたが、それまでは夫婦とものんべんだらりと自分たちの生活のためだけに仕事をし、週末もだらだらと思いのまま過ごしておりました。
出産後は子どものお世話が中心の生活になるわけですが、まぁ驚き、かつてないほど充実してハリがあるのです。
第2子出産までは時短勤務で働いていましたが、限られた時間内に間に合わすべく鬼の形相で仕事に取り掛かり、土日は子どもの公園につきあって平日よりよっぽど疲れてしまっても、夫婦ふたりだけの時に比べ、生活が楽しくQOLは間違いなく上がったと感じています。
以上、私が日頃感じている高齢出産のメリットについて4つお話ししました。
不妊治療の保険適用化もあり、高齢出産の方はますます増えてくるのではないかと思います。
子どもが成人した時の両親の年齢など考えれば、確かに躊躇してしまう気持ちも分かりますが、私は2人の子どもをこの年で持てたことに、心から感謝しています。
生まれ変わってまた晩婚だったとしても、必ずや子どもを産む道を選ぶと確信しています。それほど子どもは可愛く、子育ては楽しいものです。
いま、年齢のせいで出産を悩んでいる方や子どもをあきらめつつある方も、ぜひもう一度前向きに考えていただきたいと思います。そしていつの日か、子どもを望むすべての方に幸せが訪れる日がくることを切に願っています。